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皆さん、こんにちは。今日の授業では、日本語学習者が最も間違いやすく、そして最も重要な助詞、「は」と「が」の違いについて解説していきます。この二つの助詞は、文の構造と意味を理解する上で非常に重要ですので、しっかり学んでいきましょう。
まず、一番大きな違いを覚えましょう。「は」は、文のテーマ、つまり主題を提示します。「これから、~について話しますよ」という合図です。英語の「As for」や「Speaking of」に近い感覚です。一方、「が」は、文の主語、動作や状態の主体を明確に示します。多くの場合、その文の中で新しい情報や、特に注目してほしい部分を指し示します。
聞き手がすでに知っている情報、つまり旧情報をテーマとして取り上げるのが「は」、新しい情報を提示するのが「が」です。昔話の冒頭を思い出してください。「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。」ここで初めておじいさんとおばあさんが登場します。聞き手にとっては新しい情報なので「が」を使います。「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。」一度登場したおじいさんとおばあさんについて、それぞれの行動を説明しています。すでにおなじみの登場人物、つまり旧情報なので、テーマを示す「は」が使われます。
疑問詞、つまり誰、何、どこなどを使った疑問文では、その答えを求める部分に「が」を使います。例えば、「誰が来ましたか」という質問に対して、「山田さんが来ました」と答えます。「誰?」という疑問詞に対する答え、つまり文の中で最も伝えたい核心部分が「山田さん」だからです。もし、テーマを問う場合は「は」を使います。「山田さんはどこですか」という質問では、「山田さん」という特定の人物について、その場所を尋ねています。質問する人も答える人も「山田さん」のことは知っている、つまり旧情報という前提です。
「は」には、他のものと区別して「~は…だが、他は違う」という対比の意味合いを出す用法があります。例えば「ビールは飲みますが、ワインは飲みません」のように、ビールとワインを対比させています。一方、「が」には、「他の誰でもなく、この人、この物が」と、主語を限定・強調する強い働きがあります。「私がやります」と言うと、「他の誰でもなく、この私が責任を持ってやります」という強い意志や主張が感じられます。また、「~とき」「~から」「~ので」などで作られる従属節の中では、主語は基本的に「が」で示されます。