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二項分布について説明します。二項分布は、独立なベルヌーイ試行をn回繰り返したときの成功回数の分布です。パラメータは試行回数nと成功確率pです。確率質量関数は、nCk掛けるpのk乗掛ける1マイナスpのnマイナスk乗で表されます。例えば、コイン投げを10回行って表が出る回数や、10個の製品から不良品が見つかる個数などに適用できます。
ポアソン分布について説明します。ポアソン分布は、単位時間や単位空間あたりに発生する稀な事象の回数の分布です。パラメータは平均発生回数λです。確率質量関数は、λのk乗掛けるeのマイナスλ乗をkの階乗で割ったもので表されます。例えば、1時間あたりの来店客数や、1ページあたりの誤植数などに適用できます。平均と分散は共にλになります。
ガンマ分布について説明します。ガンマ分布は、ポアソン過程においてk回目の事象が発生するまでの待ち時間の分布です。パラメータは形状パラメータkと尺度パラメータθです。確率密度関数は、xのkマイナス1乗掛けるeのマイナスx割るθ乗を、θのk乗掛けるガンマ関数kで割ったもので表されます。指数分布はkが1の場合のガンマ分布の特殊な場合です。電球の寿命や待ち時間などに適用できます。
二項分布とポアソン分布の関係について説明します。試行回数nが大きく、成功確率pが小さい場合、npがλに収束するとき、二項分布はポアソン分布に近似できます。これは稀な事象の発生回数という共通の性質があるためです。例えば、n=100、p=0.03の二項分布は、λ=3のポアソン分布とほぼ同じ形になります。この近似は実用的に非常に重要です。
ポアソン分布とガンマ分布の関係について説明します。ポアソン過程では、事象の発生回数はポアソン分布に従い、k回目の事象が発生するまでの待ち時間はガンマ分布に従います。特に、次の事象までの待ち時間は指数分布、つまりk=1のガンマ分布になります。このように、同じ確率過程を異なる視点から見ることで、離散分布と連続分布の関係が理解できます。これらの関係は信頼性工学や待ち行列理論で重要な役割を果たします。