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CUDAとは、NVIDIAが開発したGPUを汎用計算に利用するための並列コンピューティングプラットフォームです。CPUは少数の高性能コアを持つのに対し、GPUは数千の小さなコアを持ち、大規模な並列処理に適しています。CUDAはこのGPUの能力を活用できるようにします。
CUDAは複数の構成要素から成り立っています。最下層にはCUDA Driverがあり、GPUハードウェアとの通信を担当します。その上にCUDA Runtime APIがあり、開発者がGPUプログラムを作成するためのインターフェースを提供します。CUDA Toolkitにはコンパイラやデバッガが含まれ、最上層には数学計算用のcuBLASや高速フーリエ変換のcuFFTなどの専用ライブラリがあります。
CUDAの並列処理は階層構造になっています。最上位のGridは全体の実行単位で、その中に複数のBlockがあります。各Blockは数百のThreadで構成され、これらのThreadが同時に実行されます。例えば画像処理では、各Threadが1つのピクセルを担当し、数千のピクセルを同時に処理することで高速化を実現します。
CUDAプログラミングの基本的な流れを見てみましょう。まずGPU上にメモリを確保し、CPUからGPUにデータを転送します。次にカーネル関数を実行して並列計算を行い、結果をGPUからCPUに転送して最後にメモリを解放します。この例では、2つのベクトルの要素ごとの加算を数千のスレッドで同時に実行しています。
CUDAは現在、多くの分野で重要な役割を果たしています。特に機械学習とディープラーニングでは、ニューラルネットワークの訓練を大幅に高速化します。科学技術計算では気象予測や物理シミュレーション、画像処理では動画編集やリアルタイム画像認識、金融分野ではリスク計算や高頻度取引、医療分野ではCTスキャンやMRI画像の解析などに活用されています。