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ハイパスフィルタ、または高域通過フィルタは、特定の周波数より高い周波数の信号を通過させ、それより低い周波数の信号を減衰させるフィルタです。このグラフは、ハイパスフィルタの周波数応答を示しています。横軸は周波数、縦軸は振幅です。カットオフ周波数より低い周波数は減衰域となり、高い周波数は通過域となります。ハイパスフィルタは、電子回路、音響処理、画像処理など、様々な分野で使用されています。
ハイパスフィルタの最も基本的な形は、抵抗とコンデンサを直列に接続したRC回路です。この回路では、入力信号は抵抗を通り、出力はコンデンサと抵抗の接続点から取り出されます。コンデンサは低周波では高いインピーダンスを持ち、高周波では低いインピーダンスを持つため、高周波信号が通過しやすくなります。ハイパスフィルタの伝達関数は、jωRC分の1+jωRCで表され、カットオフ周波数はRC分の1です。ボード線図では、カットオフ周波数以下では20dB/decadeの傾きで減衰し、カットオフ周波数以上ではほぼ一定の振幅となります。
ハイパスフィルタは様々な分野で応用されています。音響処理では、低周波ノイズや不要な低音を除去するために使用されます。例えば、録音された音声から空調機器のハムノイズを取り除くことができます。画像処理では、エッジ検出やシャープニングに利用されます。画像の急激な輝度変化を強調することで、物体の境界線を検出します。通信システムでは、異なる周波数帯域の信号を分離するために使用されます。また、計測器では特定の周波数帯域を分析する際に活用されます。これらの応用例からわかるように、ハイパスフィルタは私たちの身の回りの技術に広く使われているのです。
ハイパスフィルタとローパスフィルタは、周波数特性が互いに補完的な関係にあります。ハイパスフィルタは高周波を通過させ、低周波を減衰させるのに対し、ローパスフィルタは低周波を通過させ、高周波を減衰させます。グラフを見ると、ハイパスフィルタの特性曲線は周波数が高くなるにつれて振幅が大きくなり、ローパスフィルタは周波数が低いほど振幅が大きくなります。回路構成も似ていますが、抵抗とコンデンサの位置が入れ替わっています。ハイパスフィルタはエッジ検出や特定のノイズ除去に使われるのに対し、ローパスフィルタは画像の平滑化や高周波ノイズの除去に使用されます。両方のフィルタを組み合わせることで、特定の周波数帯域だけを通過させるバンドパスフィルタを構成することもできます。
最後に、ハイパスフィルタについてまとめましょう。ハイパスフィルタは、特定のカットオフ周波数より高い周波数を通過させ、低い周波数を減衰させる電子フィルタです。最も基本的な実装はRC回路で、その伝達関数はjωRC分の1+jωRCで表されます。カットオフ周波数はRC分の1で、この周波数以上の信号が通過します。ハイパスフィルタは、音響処理、画像処理、通信システム、計測器など様々な分野で応用されています。また、ローパスフィルタと組み合わせることで、特定の周波数帯域だけを通過させるバンドパスフィルタを構成することも可能です。このように、ハイパスフィルタは信号処理において非常に重要な役割を果たしているのです。